一馬力のメモ帳

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Rocky Linux 8.3 RC版のインストール方法

Rocky Enterprise Software Foundation (RESF)はRocky Linux 8.3 RC1をついにリリースしました。(https://rockylinux.org/ja/news/rocky-linux-8-3-rc1-release/)

2020 年12月CentOS.orgから発表されたCentOS終了のお知らせ*1 「CentOS Stream」から5ヶ月。Rocky Linuxプロジェクトが頑張ってくれました。

CentOS.orgの発表直後から、CentOSに代わるRHELフォークとして「Rocky Linux」と「Alma Linux (旧Project Lenix)」が発表されました。

「Alma Linux」はRocky Linuxに先行して2021/3/31に安定版をリリースしています。Rocky Linuxも2021 2Qのリリースを目指して開発が進んでいます。*2

この記事では2021/4/30にリリースされたRocky Linux 8.3 RC1をmacOS上のVMware Fuisonにインストールする方法を紹介していきます。

目次


Rocky Linux インストールの概要

インストールを始める前に、この記事で紹介するRocky Linuxのインストール概要をまとめます。

インストール前に作業の全体像をつかんでもらえればと思います。

Step1.  Rocky Linuxインストールイメージのダウンロード
Rocky LinuxのRC版はx86_64,ARM64アーキテクチャ毎に「Minimal」「DVD」「Boot」の3つのISOが準備されています。この記事では「Minimal」のインストールイメージを利用します。


Step2.  仮想マシンの作成
Rocky Linuxインストール用の仮想マシンを作成します。物理マシンを準備できる場合は、仮想マシン作成のステップを飛ばしても問題ありません。この記事ではmacOS上のVMware Fuisonへ仮想マシンを作成しまます。


Step3.  Rocky Linuxインストール
Rocky LinuxをインストールStep2.で作成した仮想マシン(または物理マシン)へインストールします。この記事ではインストールステップのカスタマイズは最小限として、デフォルトパッケージのままインストールしています。

Step4.  Rocky Linuxの起動
インストールが完了したら、Rocky Linuxを起動して作業終了です。標準インストールしたRocky LinuxはCLIモードで起動します。ログイン画面に表示されるRocky Linuxのアスキーアートが素敵です。

注意
最後に注意点を1つ。Rocky Linuxのダウンロードページにも赤文字で記載されています。

The release you can download here is a Release Candidate and should not be used in production.

今回の手順でインストールするRocky LinuxはRC版です。実運用では使用しないでください。

Rocky Linux のインストール

Step1.  Rocky Linuxインストールイメージのダウンロード

Rocky Linuxプロジェクトページを開きます。(https://rockylinux.org/ja/)
プロジェクトページ右上の「links.download」をクリックしてください。

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Rocky Linuxダウンロードページ(https://rockylinux.org/ja/download)が表示されます。
この手順では「x86_64」アーキテクチャのMinimal版を利用しますのでクリックしてダウンロードしましょう。

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ダウンロードしたISOファイルRocky-8.3-x86_64-minimal.isoは「1.86GB」ありました。

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Step2.  仮想マシンの作成(VMware Fusion)

VMware Fusion のメニューから

ファイル > 新規
を選択します。

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インストール方法の選択画面の上段にある枠の中に
事前にダウンロードしておたISOイメージ

「Rocky-8.3-x86_64-minimal.iso」

を枠の中にドロップします。
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前のステップで選択したディスクイメージが表示されていることを確認して
「続ける」をクリックします。

f:id:htbariki:20210508220347p:plain 「オペレーティングシステムの選択」画面から「CentOS8」を選択します。
選択したら「続ける」をクリックしてください。

f:id:htbariki:20210508220406p:plain 「ファームウェアタイプを選択」の画面でブートファームウェアを指定します。
この手順では「レガシー BIOS」を選択しています。
ファームウェアを選択したら「続ける」をクリックしてください。

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以上で仮想マシンの作成は完了です。設定内容を確認して「終了」ボタンをクリックしてください

f:id:htbariki:20210508220056p:plain 仮想マシンのを格納する「名前」「場所」を確認して問題なければ「保存」をクリックします。
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以上で仮想マシンに作成は完了です。引き続きRocky Linuxが自動で起動してくるのを待ちます。

Step3.  Rocky Linuxインストール

一番初めに表示されるインストール画面から
「Install Rocky Linux 8」を選択します。
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選択後インストーラーが起動していきます。
この時点ではまで仮想マシンにRocky Linuxはまだインストールされていません。

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インストーラーで利用する言語を選択します。
利用できるリストは大量にあるため
画面下のテキストボックスにjapaneseの「j」を入力して
リストを絞り込みます。

f:id:htbariki:20210508220150p:plain f:id:htbariki:20210508220157p:plain 今回インストールするRocky LinuxはRC版となります。そのため警告画面が表示されますので内容を確認して問題なければ「続行」をクリックしてください。
f:id:htbariki:20210508220209p:plain インストーラー画面からカスタマイズ可能なメニューが表示されます。
ここで選択が必要な場所は「!」が表示された部分

※「!」をすべて消さないとインストールを開始できません。

この手順では + インストール先
+ 時刻と日付
+ ユーザ設定

の3箇所を修正してインストールしています。

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「!」アイコンが無くなれば「インストールの開始」を選択できるようになります。
「!」アイコンがなくなった事を確認して「インストールの開始」をクリックしてください。

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(参考)インストール時の画面解像度を変更する方法

インストール時に画面が溢れてイラッ!とした人は
過去記事を参考にしてみてください。※Rocky Linuxでは未検証です。CentOS,RHELでは対処できました。

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インストールが完了したら再起動してインストール完了です。
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Step4.  Rocky Linuxの起動

初回起動で表示された「login: 」部分に前のステップで設定した rootのパスワードを利用してOSにログインします。

ログインできればインストール完了です。

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以上でインストールは完了です。今回はRocky Linux RC版のインストール手順の紹介でした。バグを見つけたらRocky Linuxのページから報告しようと思います。動きはじめたばかりのプロジェクトは勢いがあって良いですね。リリース版の完成が楽しみです。

試した環境

ホストOS

2500/15.4 MJLT2J/A MacBook Pro Retinaディスプレイ

MacBook Pro (Retina, 13-inch, Late 2013)
macOS Catalina
システムのバージョン: macOS 10.15.7 (19H524)
カーネルのバージョン: Darwin 19.6.0

仮想化基盤

VMware Fusion
 プロフェッショナル バージョン 11.5.6 (16696540)

ゲストOS

[root@localhost ~]# cat /etc/redhat-release
Rocky Linux release 8.3
[root@localhost ~]# uname -a
Linux localhost.localdomain 4.18.0-240.22.1.el8.x86_64 #1 SMP Mon Apr 12 04:29:16 UTC 2021 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
[root@localhost ~]#